家出人や失踪人を捜索している中で、調査の方法によっては失敗してしまった、という事例も数多くあります。中には命に関するような問題にも発展してしまうのが家出人や失踪人の捜索なのです。

そこで今回は、実際に発生した6つの失敗事例についてお伝えしていきます。

実際にあった家出人・失踪人捜索の6つの失敗事例

失敗事例①|せっかく発見した失踪人が逃亡

ストレス

失踪人は借金苦から家族を捨てて失踪した男性。

行動範囲と思われる場所を捜索していたら発見し、そのまま捕獲しようとしても逃亡の恐れがあり、そうなってしまっては捜索の苦労が水の泡になってしまうために尾行することにしました。

しかし長時間の尾行が失踪人に「借金の取り立て」と思われてしまい警戒心を与えてしまう。失踪人がビジネスホテルにチェックインした所で、依頼人に連絡しすぐさま駆けつけてもらい部屋ヘ行こうとしたものの、ホテル側より「他のお客様のご迷惑になるので、フロントまで呼び出し確保する形にしてほしい」との依頼を受けました。無理は言えずしぶしぶ承諾し、念の為に入口2か所に人員を配置して実行ヘ移します。

しかし失踪人はフロントからの呼び出しを受けた時点で「借金の取り立て」が来たと錯覚し逃走してしまいます。従業員通路より柵を乗り越え逃亡し、調査員が気付いた時には時既に遅く、部屋はもぬけの空で逃走に気付きます。付近を探査するも見当たらず、足取りも完全に消えて仕舞い捜索はふりだしに戻ってしまいました。

失踪人は精神的に参っていて非常に危険な状態であることをホテル側に説明し、直接部屋ヘ訪問すべきでした。もしくは、警察機関に介入してもらってでも行うベきでした。

失踪人に警戒を与えてしまったのも、逃走を図る直接的な原因です。人間は追い込まれると、予測不能な行動を取る事も忘れてはいけません。失踪人置かれた状況を理解し、確保には細心の注意を払わなければいけます。

失敗事例②|過度の取材により非協力的な対応をされてしまう

NG

失踪人が行きつけと情報の美容院ヘの取材しましたが、ひっきりなしに次から次ヘと客が来る人気店で落ち着いて取材を行う隙も無かったため、開店直後や昼前、午後一、夕方前などに訪問し忙しい時間を外したつもりだったものの、結果的には過度の訪問を行う事になってしまい、やや厄介者に扱われた感があり、目指すべき取材目的が達成出来ませんでした。

事前の取材対象店の情報収集を怠り、理解しないまま取材を行ったことや、日を改める等の余裕を持つことが大切であり、取材先への最大限の配慮も必要である。

失敗事例③|依頼者からの情報が100%正確だとは限らない

依頼者から預かった失踪人の写真は10年前の物で、髪の長さがかなり長く、こだわりが強かったので髪はきっていないという情報で失踪人を捜索していました。しかし聞き込みを行うと、限りなく現在の失踪人を知る人物からの情報は、髪は写真とは異なった長さで、写真とは違っていました。依頼者からの情報のみで現在の失踪人を作り上げてしまったら、全く異なったイメージの人物を追ってしまっていた。

依頼者であったとしても、久しく対象者に会っていない場合はその情報が全て正確とは限らないというのが反省点となります。

失敗事例④|ネットカフェから協力を拒まれる

取材に伺った際、店舗店長より今後調査には来ないでほしいとの返答を受けてしまいました。

理由として協力出来る事が無いとの事でしたが、おそらく実際にはそれ以外の理由があるようでした。このような取材拒否になる店舗を作らない為には、店舗が忙しい時は改めて訪問したり、頻繁な訪問は控えたり、悪い印象になる粘る取材は行わはいなどの、店舗側への配慮が必要となります。

失敗事例⑤|失踪後に利用したネットカフェを失踪人が利用したが協力を得られなかった

失踪人は40歳独身男性独り暮らし。外資系の物流会社に5年間勤務しているが転職を希望しており仕事での悩みからの家出でした。

高校卒業後にアメリカの大学に入学し7年半もの間アメリカで過ごした事もあり、海外の生活に未練が有った様でした。普段からインターネットカフェは利用しており、姉の情報により会員になっているインターネットカフェが原宿にあることが分かっており、失踪後一度だけ利用した情報は家族から提供されていました。

同店舗ヘ取材し、協カしてくれるものだと思っていたが、10日後に同店を失踪人が利用した際に対応した店員が、失踪人が退店した後に気づいて連絡が入ります。当然それから急行するも失踪人の姿は無く、そのまま発見には至らなかった。

その日に対応した店員は週1でしか入らないアルバイト店員であった為、情報の共有が徹底出来ていなかったものと思わます。協力してくれる側の店員の意識を徹底させる事が出来なかった事が主な失敗原因でした。

こまめに店舗ヘの連絡、訪問を行い徹底して店員の意識を下げない様にし、同店舗に客として利用するような日頃からのコミュニケーションを取る事行う必要がありました(客として利用していれば無下に扱われる事はないため)

失敗事例⑥|発見した失踪人を依頼者ヘ引き渡した数時間後に自殺してしまった

悩む男性

20代後半だった失踪人はマンションで姉と同居していました。仕事先での人間関係が原因し、うつ状態の傾向がみられた。毎年お正月は家族で迎えることになっていたが、親に合わす顔がなく居住先より家出した。すぐに発見に至り親へ引き渡したが、すぐに自殺してしまいました。

精神状態が不安定な失踪人の場合、引き渡してからすぐにでも病院に連れていくべなどのアフターフォローを徹底し、再発防止につとめるべきです。

まとめ

一度でも失敗してしまうことで、救えた筈の失踪人が自ら命を絶ってしまうこともありえるのが失踪人捜索です。その為、失敗については絶対に無いように最大限の注意を払う必要があります。

しかし、失敗を経験することで2度と繰り返すことなくより良い調査が可能となるのです。大事なことは失敗をそのままにせず、きちんと反省して共有し、成長することなのです。