探偵社や興信所が、家出人や失踪人を捜索し発見に至るまでにどのような捜索や調査をしているのか?についてはなかなか情報公開されていません。警察とは違い、民間団体として出来ることも限られている中でどのような捜索を行っているでしょうか?
実際のところは様々なケースが存在しており、全ての発見において同じようなケースは無く、ちょっとした工夫や努力によって発見にいたっているのです。
今回は失踪人が発見に至る上での成功した手法について詳しくお伝えしていきます。
実際の調査で成功した7のテクニック
1.本人になりすます
生き別れた母親を息子からの依頼で調査した際、戸籍や住民票を息子がとってくれたのだが、最終確認住所には居住していなかった。そこで調査員は行き別れた息子を名乗り、切実な気持ちを込めて最終確認住所付近にお願いし調査を行ったところ、母親の今の住所を知っている近隣住民が協力してくれ教えてくれて発見に至りました。
2.ビラ配りはいかに協力を得られるかがカギとなる
目撃者を探している場合において、いつ現れるかわからない対象者を探しているとするよりも、最近付近で目撃されたなどと嘘をついてでも対象者がいつ現れてもおかしくない状況を作りあげることの方が、意識性と協力性を高めます。もしかしたら、という気持ちになってもらうとビラを自然と要求される場合もあります。
飲食店などに関しては、外装などで対象者の立ち寄り先ではないと自己の判断をしてはいけません。そんな店舗の中には昔から店をかまえているなど周りに顔が利き、協力者を自然と増やせる可能性もあります。
3.地方の駅員に電話にて予め情報をインプット
遠方にある様な小さな駅などに伺う際に、あらかじめ電話にて行方不明者の捜索のために伺うと伝えておき意識しておいてもらうと、ビラを見せるなり電話で聞いたとの反応が返ってきて協力的な対応をしていただけた。失踪人が徘徊していたかもしれないという情報提供があった為に来たと伝え、あたかも利用している可能性が高いことの意識付けを行ったことで、ビラを配った次の日に同駅を利用した失踪者を改札で駅員が発見し、連絡をくれた上尾行まで行ってくれて引き継いでくれた。
4.インターネットカフェにて身内を装い調査
身内を名乗って演技しつつ「利用データを確認していただけませんか」と直接頼まないよう間接的に誘導する。例えば、「今はマンガ喫茶を利用するのに○○が来てもわからないものですかね?」と聞いた場合には、「会員証を作りますし、身分証明書が必要でなりすましはできない」と返答されました。
しかし身内を演じ、切実な表情やため息もつくほどの演技で懇願すると、店員が自ずとデータを確認してくれ現住所を教えてくれました。
5.インターネットカフェにて緊急性を伝えた調査
インターネットカフェへの聞き込みは、あきらかに店員が嫌がり協力的ではありません。
そのため協力的になってもらうためには「先ほど近くのATMで現金の引き出しがあった」「近隣の他店で目撃情報があった」「失踪人からこのエリアのネットカフェにいると連絡があった」などと対象者が近くに居る事を前提として緊急性を感じさせる取材を行うことで、明らかに店員の対応が異なります。
その際、過去の履歴を求めるのでは無く「ここ2.3日だけで構いませんので来店していないか調べて頂けないでしょうか」と求め、ここ数日であっても利用履歴を確認する事が出来れば、結果的に会員履歴も確認する事が可能となる。
緊急性を感じさせることで、個人情報対応に多少強気で行く事が可能であるが、取材後に詫びるなどフォローをする事は必要である。
6.失踪人が確保出来た場合の役割分担が大切
失踪人を見つけ尾行及び監視態勢に入った後、そのまま依頼者を呼び引きあわせることが望ましいですが、止むを得ず確保する状況になった場合には、捜査員が2名居る場合は2人が違う角度(キャラクター)から会話をして長時間確保出来る状況を作ります。
1人は、説明・説得する内容の会話(誰に頼まれて探していたか・こちらの要求を対象者に説明し納得してもらう等の内容)。もう1人は、対象者の心を開かせる様な会話に徹します。(あえて敬語を使わない·全然関係のない話など)
無理やり拘束してはいけないため、その場から逃げられたり立ち去られないように、会話を繋ぎ依頼者が来るまでの時間を繋ぐ必要があります。
7.依頼者と対象者との立ち会い時には尾行体制をとる
依頼者が対象者を説得させている時に調査員は、話の流れや場の空気にも注意を払わなければいけません。
調査員が2名居る場合は、1人その場から離れ、もし説得が失敗し対象者が立ち去ろうとした場合にも、再度尾行出来るように用意しておかなければいけません。
まとめ
以上のようなテクニックを駆使し、捜索活動を行っています。ただ単に何も考えずやみくもに捜索するのでは無く、こういったほんの少しの工夫や努力こそが、早期発見に繋がっているのです。