子供が大きくなってきて思春期にもなると、両親とぶつかってしまう事も珍しくありません。両親は子供の事を思っての事でも子供にはなかなか伝わりづらく、ましてや反抗期であれば、ただ自分の事や自分がやりたい事を否定されていると感じています。

その為に喧嘩も多くなり、子供によっては家出をしてしまう事もあります。子供は社会経験もなく犯罪に巻き込まれてしまう可能性も高いので、出来る限り早期発見をしなければなりません。しかし、ただやみくもに探し回っても見つかりにくく効率的ではありません。焦る気持ちはわかりますが、落ち着いて冷静に捜索を開始しましょう。

今回は数々の家出を捜索してきた探偵と警察が、これまでの経験から捜索方法を解説していきます。

1.子供が家出をするには必ず動機がある

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子供がわけもなく家出をする事はありません。家出をするには何かしらの理由が必ずあり、その原因を探る事で捜索方針が決まります。では、どういった理由で家出をしてしまうのでしょうか。

両親への不満からの反発、自立した生活がしたいなど色々とあります。細かく分析してみると以下のような理由が多くなっています。

友達と遊ぶ時間が足りない

中高生にもなってくると、友達と遊ぶ時間が足りないと感じる子供が増えてきます。特に高校生はアルバイトを始めて自由に使えるお金が増える事によって、行動範囲が非常に広がります。しかし、両親が門限に非常に厳しかったり勉強についてうるさいなど、小言が多いと子供にストレスがたまります。

その結果、もう帰りたくないという思いが強くなり、家出に発展してしまう事があります。この場合、友達の家に泊まっている事が多いのですが、いつまでも友達の家に居座れるわけではないので比較的早期に自分で帰って来るケースも多くなっています。

両親への反抗心

両親が日頃からうるさく、事あるごとに小言を言って来ると家に居たくないという気持ちが出てくるでしょう。何をしても反対されると、頭に来たり悲しむはずです。このくらいの年齢になってくると、親の言う事を素直に聞いているだけではなく、自分で判断したり自分で決めて行動をしたいといった心も芽生えてきます。

自分が子供だった頃の気持ちを思い出し、子供の立場に立って考える事も重要です。あまりにも子供の行動を制限したり、厳しいしつけには気を付けましょう。

恋人と長く一緒にいたい

中高生にもなってくると恋人が出来る事もあるでしょう。両親としてはまだ早いという気持ちもあると思います。しかし、自分の恋人の事を悪く言われたり交際に反対されると、両親に対して強い反発心が芽生えてしまいます。

まだまだ恋愛経験も少なくずっと一緒に居たい、会えない期間が長くなると嫌われてしまうのではないかという気持ちもあります。子供にももう自立心も芽生えてきて、恋人の事まで両親には干渉されたくないのでしょう。全てを否定せず、両親側も何か譲歩する事も大切です。

2.子供が家出をした場合には必ず警察に捜索願を出す

弁護士風

家出人の捜索を開始する前に必ずすべき点としては、警察へ家出人捜索願を出す事です。

家出人捜索願を出しても、事件に巻き込まれている可能性があったり命の危険があるなど、緊急性を要しない場合は警察は積極的には捜索をしてくれませんが、警察のデータベースに登録されるので、警察の巡回や事故にあったなど、警察の通常業務の中で目に止まると、家族へ連絡し、未成年の場合は引き渡しまで行ってくれます。

未成年の子供の場合は夜中に出歩いていたりすると、警察官の目に止まりやすく成人よりも見つかりやすい傾向にあるので、「大事にしたくない」と思ったとしても、しっかりと家出人捜索願は出しておきましょう。

警察への届出の際に必要なもの

  • 本籍
  • 住所
  • 氏名
  • 生年月日
  • 職業
  • 家出人の直近の姿を写した写真など
  • 携帯電話の番号

その他に

  • 家出をしたときの日時や状況
  • 思い当たる原因や動機
  • 所持金
  • よく行く場所

など細かい情報もあるといいでしょう。尚、捜索願は身内からしか出すことが出来ません。

3.子供の捜索は早期発見が大事

接触

子供の家出は早期に発見する事がなによりも大事です。子供には社会経験もなく騙されやすいという事もあり、発見が遅れれば遅れるほど、事件や事故に巻き込まれる可能性が高くなる為です。なので楽観的にならず、出来るだけ早期発見に努めましょう。

両親だけでの捜索が難しい場合は周りの協力を得たり、捜索のノウハウを持っているプロの探偵社へ依頼しましょう。命の危険もありますので、出来るだけ早く捜索を開始する事が大切です。さらに、捜索が遅れれば遅れるほど見つかる可能性も低くなってきます。

・家出初期~3日

明確な目的もなく勢いで家を出てくると、自宅近辺にある24時間営業の店舗や、友人宅を渡り歩いている可能性が高いです。所持金も多くはないでしょうから、出来るだけお金を使わないようにしているでしょう。アルバイトをしているなら、アルバイト先を張り込んで来るのを待つ事も大切です。同時に学校へ連絡し、出席しているかどうかも確認しておきましょう。長期休暇の場合は友人宅の可能性が高くなってきます。

・家出中期~2週間

友人の家を渡り歩くのにも限界があります。アルバイト先を変えて収入を得て、ネットカフェなど安価に宿泊出来る場所を使用し生活している可能性があります。可能性のある地域のそういった場所をチラシやポスターを持ってしらみつぶしに調査する事で見つかる可能性があります。

また、家出中に知り合った人物の家に宿泊している可能性もあります。そうなるとかなり危険な状態にあるため、発見を急がなければなりません。

・家出後期~1ヵ月

家出が長期に及ぶと、事件に巻き込まれた可能性や命の危険も出てきます。家出中に出会った人物と引き続き生活をしていたり行く当てがなくなっても、いまさら家に帰れないといった気持ちから衰弱して動けなくなっている可能性もあります。遺体での発見になってしまう事もあり大変危険です。捜索を急ぎましょう。

4.子供が家出をした時の対応方法

子供が家出をしたとなると子供の事が心配で、焦ってしまいがちです。その気持ちはわかりますが、しっかりと計画立てて捜索をしないと見つかるものも見つかりません。

まずは原因を探り、捜索方針を立てましょう。また、今まで何度も家出をしているといった場合は両親の対応にも問題があるかもしれません。

・怒るのは逆効果

家出をして帰ってきた場合、頭ごなしに怒ってはいけません。せっかく帰ってきたのに怒られては家に居たくないという気持ちが強くなり、また家出をしてしまう可能性もあります。怒らず冷静にきちんと話し合いの場を設けて、子供の意見もしっかり聞いてあげて冷静に対処する事が大切です。

・話し合いの場を設ける

子供が家出をしてしまう家庭は、子供に両親の気持ちが通じておらずすれ違ってしまっています。しっかりと話し合いの場を設けて、一方的に話すだけではなく子供の意見をちゃんと聞き入れ、両親側の妥協も必要になってきます。長い時間をかけて真剣に思いを伝えましょう。

5.子供が家出をしたときの捜索方法

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子供が家出をしたときに一番大切な事は、まずは警察に家出人捜索願を出す事です。焦ってやみくもに捜索せず、家出人捜索願を出してから捜査方針を立てて捜索を開始しましょう。

中高生の子供が家出 警察に捜索してほしい!

家出人捜索願を出すと警察が捜索してくれると思うかもしれませんがそうではありません。あくまでも警察のデータベースへの登録がされ、警察が通常業務で巡回をしている時に職務質問をしたり、夜中に出歩いていて補導となったような場合に家族への連絡をしてくれるという物です。その為、積極的な捜索をしてくれるわけではなく、家出人が警察に関わらなければ警察に発見される事はありません。

事件に巻き込まれている可能性がある

警察が積極的に捜査をしてくれるわけではないとお話ししましたが、積極的に捜査をしてくれる場合があります。事件に巻き込まれている可能性がある、子供が小さくて誘拐の可能性がある、命の危険がある、などといった場合です。

そういった場合には「特異家出人」という扱いとなり、正式な捜査対象となります。警察が本格的に携帯電話の電波のキャッチ、Nシステムの確認、防犯カメラの確認など、様々な捜索をしてくれます。なので警察へ届け出を出す際、いかに緊急性があるか、命の危険や事件性があるのかを一生懸命訴えましょう。

警察に捜索を行って貰えない場合

事件の可能性や命の危険が認められない場合、自分たちで探すには限界があります。そんな時に探偵社へ依頼をすると、依頼人の部屋を調査しパソコンのデータやメール、ウェブの閲覧履歴、服のポケットや引き出しの中や手帳など残されているものを細かく見て、居場所の手掛かりになるものを探します。

その後に、友人などに聞き込みをして、よく行っていた場所などにポスターやチラシを配布するなど様々な調査をしてくれます。どうせすぐに帰ってくるだろうなどとは思わず、特に女性の場合は出来るだけ早期発見に努めましょう。

まとめ

子供に限らず、誰かが家出をした場合、家出人捜索願を出すことが重要です。家出人捜索願を出した後に状況を分析し、よく行く場所や可能性のある場所をどんどん当たっていきましょう。事件に巻き込まれている可能性があったり命の危険がある場合は、警察も本格的な捜査を行ってくれますので、必ず警察へ特異家出人として受理してもらいましょう。

その場合でも、並行して探偵社へ依頼することで捜索の幅は広がり見つかる可能性も増加します。捜索する方法が警察とは異なりますので、警察では捜索していない点を探偵がカバーすることになります。どうせすぐに帰って来るだろうといった楽観的な考え方は危険です。とりかえしのつかない事になる前に早期発見を目指して捜索を行いましょう。