家出人・失踪人の捜索において、各場面ごとやシュチュエーションごとにおいて捜索方法は異なってきます。

捜索対象にする組織、人物ごとに対し、緻密に計算された取材を行うことで発見に繋がることを探偵は知っているからこそ、取材対象に合わせて微調整していきます。

今回はあまり知られることのない内容である、探偵が各シュチュエーションごとにおいてどのような捜索方法をしているのか?注意すべき点を公開していきたいと思います。

1.探偵が家出人・失踪人を捜索活動する調査方法は3種類

(1)電調

携帯

正式名称は電話調査のことを言います。電話を利用した取材・聞き込みのことで、調査に取り掛かる初期段階は電調によって心当たりがありそうなところ全てをあたります。

(2)側調

聞き込み

正式名称は側面調査と言います。対象者に知られること無く不特定多数の第三者ヘの取材・聞き込み取材のことを言います。

(3)直調

取材

正式名称を直接調査と言います。対象者の関係者、時には対象者自身ヘの直接の取材・聞き込みのことです。

2.家出人・失踪人捜索調査で探偵が心がけている注意点

大前提として、臆することのない取材・聞き込みを心がけます。

この場合、声だけの調査なのでしっかりとした会話の組み立てが必要となり、常に聞き手のぺースで聞き続けなければなりませんが、顔がわからないからと言って精神的に弱気になってはいけません。

しかし相手の状況が見えない分、相手の状況に最大限の配慮を配る必要があります。また、なりすまして情報を聞きだしたり、数ある宿泊施設ヘ足を運ばず短時間で宿泊・予約の確認を行えます。

3.探偵による場面ごとの家出人・失踪人捜索方法と注意点

(1)公共施設周辺(駅、公園、繁華街、商店街など)

繁華街

  • ラジオ番組の制作に必要な資料取集としてのリサーチ
  • テレビ番組の制作、雑誌・新聞取材などとしてのマスコミとしてインタビュー

注意点

  • 念のため、近くにある交番に事前に挨拶しておいた方が良いです。
  • 番組がどういったものか?突っ込まれても大丈夫なようにしておく必要があります。

(2)住宅街

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  • 不動産業者として『周辺の環境調査』の取材
  • 地域性のアンケートとしてインタビュー

注意点

  • 男性より年配の女性に聞くこともポイントです。基本、女性はおしゃべりです。聞きもしないことまでペラペラしゃベってくれます。
  • 同人物ヘの数回の取材を行わなければならない場合を考慮し聞き込みを行ってください。
  • 相手に警戒心を与えない様に笑顔で会話をします。
  • 相手に話をさせること、聞き手にまわること。
  • 取材場所の選定の中で交通機関、特にタクシーの運転手ヘ聞き込みは有力な信報を得る確率は高いといえます。

(3)インターネットカフェ・まんが喫茶

インターネット

特徴

  • インターネット、フルフラットベット、シャワールーム、飲食などの施設が充実した簡易型宿泊が可能な施設。深夜から早朝まで3,000円前後で利用出来、個室になっている為に不特定多数の老若男女に利用されている。近年、女性をターゲットとした綺麗で清潔感があり近代的な店舗が増加してきている。
  • 2010年7月1日以降、身分証明書の提示が義務となっているが、各都道府県の条例により地域や店舗によっては提示をしなくても利用できる場所もある。東京都は身分証明書の提示は義務である。しかし、PCを使用しない場合やまんがのみの席の場合は提示をする必要が無い店舗もある。
    神奈川県は条例により提示義務が無い。
  • 都内近郊各所の比較的駅に近い場所にあり、低料金で利用できるため、失踪人・家出人が利用する確率は非常に高い,全国大型チェーン店、地域に数店舗の小系列店、独立個人店、ビデオ・DVD店など様々な形態の店舗がある。

ベストなアプローチ方法

  • 名前だけではなく、生年月日からも顧客データとして上がってくる。
  • 関西だと心斎橋、梅田、天王寺、新大阪エリア、関東だと池袋、新宿、渋谷、秋葉原、上野エリアで頻繁に利用されている可能性が高く¥、店舗データとして管理しておき、会社としてきちんと挨拶をしておく必要がある。
  • 大型店の様な場合、1店舗の端末データで全店舗の情報と履歴が確認出来る様な、ゆるい対応の店舗や店員を掴んでおくことも必要となる。
  • 店員の判断で調査に協力し発見に至ったケースも実際にあるため、1個人としてどこまで対応して貰えるかによるところが大きい。
  • 個人情報保護法対策
  • 事件性、薬物、自殺のなどの可能性を用いて心情に訴えかける。
  • 有効的なキーワード・・・遺書が発見、病気で薬の服用が必要、家族が心配、など。

(4)ゲストハウス・シェアハウス

家出人

特徴

  • 身元保証人不要、敷金礼金不要で1日から借りられる賃貸アパート。一部屋に、一人、もしくはー人以上の契約も可能。一泊から契約可能だが、一般的には1ケ月以上。
  • 平均1泊3,000円~。月の家賃60,000円~80,000円。もっと格安物件もあり。
  • 契約時に身分証明証は必ず必要。また家賃以外に光熱費が必要をんな。
  • 管理会社に電話・メールで問い合わせた後、サイトで確認した後、指定した待ち合わせ場所で合流。
  • ゲストハウス専門業者、不動産関連会社の部門での会社が管理運営。

ベストなアブローチ方法

  • 管理会社ヘの電話アポイントはマスト。
  • 管理会社を通さずに現場ヘ行くことは難しい。
  • 電話で利用履歴の確認を出来る可能性があるので、電話の段階で準備が必要。
  • 管理会社は営業時間が決まっているため日中の優先順位の高いアプローチと、各店舗の営業時間等のデータ化が必要。
  • 探偵と身分を明かさずに、情に訴える方法が有効的(知人、親族、会社の同僚など)。
  • 比較的対応は良いので臆することなく攻めのアプローチ。
  • 内覧と証して管理会社立ち会いの元、建物内に入り合法的に住民に取材を行う事で、対象者に直調が出来る可能性も高まる。

個人情報保護法対策

  • 事件性、薬物、自殺などを訴える。

(5)パチンコ店·パチスロ店

  • 騒音が激しいため効果的な取材・聞き込みを考える必要がある。

ベストなアプローチ方法

  • 第1段階···責任者、店長ヘの取材は身分を明確にして事務所で取材を行うのが鉄則。不在の場合は時間、日にちを改めて。アポイントを取る必要がある場合は事前にアポイントを取る。
  • 第2段階…ホールスタッフへの聞き込み。店内では騒音が激しいのでしっかりとした聞き込みは難しい。少しでも聞き込みをしやすい状況をつくるためには出来るだけ来店客の少ない時間帯(昼前後)や、イベントを行っていない日にち(7の日は外すなど)を選んで聞き込みを行う。また、十分なインタビューが出来にくい分、スタッフ用にやや多めにビラを渡すことも必要。
  • 第3段階…来店客の確認。取材・聞き込みだけで終わらない様に、後方や横側からの確認になるので、出来るだけ多くの身体的特徴(ほくろ、ピアス、眼鏡、癖、利き腕など)を把握しておく事も必要。遊戯中に所有物(財布、タバコ、ライター、携帯電話など)を出しておく可能性が高いため、それらの特徴も把握しておくことちも重要である。なお、来店客の確認は先に行い、その後で聞き込みを行った方がやり易い。

個人情報保護法対策

  • 個人情報保護法で拒否をされるケースは比較的少ない。

(6)アミューズメント系

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特徴

  • ゲームセンター、ボーリング場などのレジャ一施設。
  • パチンコ・パチスロ店程ではないが騒音があるため効果的な取材・聞き込みを考える必要がある。

ベストなアプローチ方法

  • 店内では十分なインタビューが出来にくい分、スタッフ用にやや多めにビラを渡すことも必要。
  • 短時間で効果的な聞き込みを行う必要があるので、出来るだけ店長、チーフクラスの人にアプローチを行う。

個人情報保護法対策

  • 個人情報保護法で拒否をされるケースは比較的少ない。

(7)コンビニエンスストア

特徴

  • 24時間営業の代表。3交代を基本としたシフト制の出勤により、時間帯によってスタッフが異なる。
  • ATM、宅急便、振込、支払、チケット購入など買い物以外にも利用目的があるため、最も多くの不特定多数の老若男女が利用する。そのため、失踪人が立ち寄る可能性が非常に高いが、スタッフの入れ替わりや、一元での来店、混み合う時間帯での来店の場合、情報が得られにくい。
  • 都心と郊外での利用パターンが異なる。

ベストなアプローチ方法

  • 昼と夜の時間でバイト、パートの出勤者が異なるため、失踪人の行動時間に合わせた聞き込みが必要。
  • パートでは比較的年配の女性がいる場合が多いので、出来る限り年配の女性から聞き込む。
  • 比較的時間が取れる時間帯(都心では朝、昼の時間を外して夕方から夜の時間帯。郊外では午後1~2。)を狙って行う。
  • バックヤード(事務所)に必ずビラを貼らせてもらい引き統きの協力を執り付ける。

(8)不動産会社

特徴

  • 最もその土地を知り尽くした業種。
  • 顔が聞く分情報量も多いが、個人情報に密接している分難易度は高くなる場合がある(特に大型チエーン店)。
  • 長年営んできた個人経営店、と大手チェーン店によって到応に差がある。

ベストなアプローチ方法

  • 出来るだけ入り口近くの若い担当者には行かずに、店長、オーナークラスヘインタビューを試みる。特に、年配のオーナー婦人は強い味方となる。
  • 対象となる集合住宅自体を調査する場合は、お客を装い空き部屋を内覧しその集合住宅に関する情報(住んでいる人、治安、近隣情報など)を聞き出す,
  • 地元の不動産屋は、職業柄、その地域や周辺の状況に関する情報を多く持っている可能性が高い。特に個人経営で長年営んできた場合はその店舗に偶然居合わせた人(地場の有識者の可能性あり)も巻き込んで聞き込みを行う。
  • 近隣アパートの不動産会社から、対象となる住居の管理会社を聞き出せたケースもあるので、近隣の「入居者募集」などの告知も注意して見ておく。

個人情報保護法対策

  • 事件性、薬物などの可能性を強調。

(9)病院・薬局

医者

特徴

  • カルテ、処方箋記録など偽ることの出来ない個人データが残っている。
  • 個人病院と比ベて、大規模総合病院からの聞き出しはー気にハードルが高くなる。

ベストなアプローチ方法

  • カルテ、処方箋記録は名前だけではなく、生年月日からも検索が可能。
  • 比較的、事件性を訴えることで聞き出しやすくなる可能性がある。

個人情報保護法対策

  • 心情に訴える。

(10)対象者の勤務先関係者

営業マン

特徴

  • 依頼者様からの情報の人物像と異なっている場合があるため、対象者をよく知る勤務先関係者からの取材からでも人物像を作り出しておき調査の選定場所を絞り込む為に取材を行う必要がある。

注意点

  • 対象者に近い聞係に有る為に、嘘を言ったり、情報を隠蔽する可能性がある為、顔の表情や言葉の言い回しを注意深く見ておく。
  • 対象者と繁がっている可能性もあり情報が漏れる事も考慮して取材を行う必要がある。
  • 依頼者によっては会社に失踪がばれたくない場合や、失踪人が会社に損害を与えて逃げている場合もあるので臨機応変に対応する柔軟な取材が必要となってくる。
  • 後々の取材で判明した情報と照らし合わせられる様にI Cレコーダーでの録音や取材で得た情報は整理し必ず調査員で共有しておく。
  • 必すアポイントを取ってから会社に伺う
  • 忙しい時間帯を避け勤務先などに電話を入れる。相手の都合の良い時間帯に合わせアポイントを取る。

取材時の身分

  • 何らかの形で探偵と知られてしまっている場合を除き、探偵と明かしてしまうと警戒を与えてしまう可能性がある場合は、親戚・友人として取材を行う。その場合、対象者の情報は完璧に把握しておかなければならない。

成功するポイント

  • 対象者を案ずる気持ちは同じレベルで会話をする事が出来る為に共通認識を持ちやすい。

取材時の質問例

  • 雇用形態→正社員か、契約社員か、パートか、アルバイトか。
  • 出勤時問・退社時間→定時の時間に退社しているのに旧宅時間が遅い場合は、どこかに立ち寄っている可能性がある。
  • 勤続年数→長ければ親しい人物が居る可能性が高い
  • 在籍確認→除名されているか、いないか、雇用データを出す場合があるので確認しておく。
  • 仕事内容→どの様な内容の仕事をしていたか、部署・営業の場合は、1人で外回りをしていたのか、複数か、よく行く営業先はどの辺のエリアか、直行直帰はあるか、営業先で仲の良い人物は居たか。
  • 勤務態度→真面目だったか、横柄な態度だったか、遅刻や早退は頻繁にあったか。
  • 会社や仕事内容や同僚に対しての不満や愚痴→どんな事に不満があったのか、誰かに対して文句などを言っていたか。
  • 交友聞係→誰か親しい関係の人物は居たか、その人物の名前・年齢・部署・取材は可能か、会話内容・プライベートでの付き合いはあったか、どんな場所に行っていたか。
  • 失踪前、最後に接触した人物→1対はどんな感じだったか、何か会話はあったのか。
  • 趣味→何かハマっていた事は、何処かに通っていたか、何か雑誌など見ていたか、連休明けに日焼けなどしていたか。
  • 病気や持病はあったか→掛かり付けの病院はあるか、重度の場合、通院や入院をしている可能性がある。
  • 出勤時の行動→何か買っていたか、特定のビニール袋など持っていなかったか。
  • 昼の行動→昼食は社内で済ませていたか、外に出ていたか、行きつけはあったか、1人だったか、複数だったか。
  • 退社後の行動→利用駅はどこか、1人で帰る事が多かったか、誰かと帰る事が多かったか、よく行く立ち寄る場所はあったか。
  • 会社からの貸与品→ETC、スイカ、携帯電話などの有無。
  • 依頼者からの情報→指示書に基づき、何かキーワードがある場合は聞いてみる。

(11)対象者の友人

友人

特徴

  • 対象者と深い関係にある場合、対象者をかばう恐れがある。最悪場合、対象者に気付かれ捜索が困難になる可能性がある事を念頭に置き取材をしなくてはならない。だが、その反面最大限の協力を得れる可能性があり、比較的早い段階で取材を行う必要がある。

取材時の身分

  • 探偵と名乗ると警戒されたり対象者に発覚される可能性が高いと思われるため、出来るだけ親族や会社の関係者として取材を行った方が良い。そのために対象者の必要最低限な情報は完璧に把握しておく必要がある。

成功するポイント

  • 対象者を案ずる気持ちは同じレベルで会話をする事が出来る為に共通認識を持ちやすい。

取材時の貿問例

  • いつからの関係か→学生の頃からか社会に出てからか。
  • どこで知り合ったのか→友人の紹介、仕事の関係で知りあった。
  • どの位の頻度で接触していたか→決まった日付や曜日はあったのか、待ち合わせ場所は、どちらから誘うことが多かったか。
  • 最後に会ったのはいつか→その時の対象者の様子は、会話内容は。
  • どんな場所に良く行っていたか→飲食店・ギャンブル・風俗店・行きつけの店。
  • 対象者から悩みを相談された事は→仕事の問題・家庭の問題・お金の問題。
  • 最近変わった様子はなかったか→酷く落ち込んでいた。金地いが荒くなった。
  • 他に親しい人物はいたか→共通の友人や話題に出てきた人物など。居た場合は、氏名・連絡先・取材協カヘ発展できる。
  • よく話していた会話内容は→何処かに行った、好きだった物や食ベ物、よく行くお店の趣味志向。
  • 彼氏・彼女は居たか→話しをした事があったか(一緒に行動している可能性がある為、出来るだけ事細かく聞く。)
  • ニックネーム、ID、パスワード→PCや携帯電話からSNS、WEBメール、オークションなどを利用している可能性がある。
  • 待ち合わせ時間・別れる時間→行動パターンを探る。
  • 依頼者からの情報→指示書に基づき、何かキーワードがある場合は依頼者に聞いてみる。

まとめ

様々組織や人物に取材する際には、そのやり方や心構えまで本当に色々な取材方法があることが分かっていただけたかと思います。

探偵は聞き込み取材する先のシュチュエーションに応じて、調査方法や注意点を微調整しながら捜索を行っております。

全ての関係者に対していかにスムーズにアプローチし、有力な情報を聞き出すことが出来るか?それこそが早期の失踪者発見に繋がりますので、緻密に計算しつつ調査をすすめていくのです。