家出や失踪というものにはには必ず原因があり、理由もなく家出するという事はほぼありえません。ほとんどが、なんらかの原因によって家出や失踪を行いますが、何が原因で家出・失踪をしているかを考えることが出来なければ家出人や失踪人を発見することは出来ません。

これまで数々の家出人や失踪人の捜索にあたってきましたが、そこには一人一人の異なった理由や原因があり、調査を始めるにあたって家出・失踪の原因をまずは考える必要があります。

そして、原因を把握するとともに、それを分析し発見につなげていく必要があります。今回は実際の家出失踪人の捜索活動において、初動段階で行う原因の把握と分析の内容について解説していきます。

1.家出や失踪は7つの原因に分類される

男性 チェック

まずは家宅捜索や周辺人物への聞き込みにより何が原因がつきとめる

家出人や失踪人を発見するには、個人個人の家出や失踪前の生活パターンや帰属している組織、関わっていた人物などから、原因を推測することが出来なければ発見には繋がりません。

家出や失踪が判明した時点で、必ず自宅や部屋を捜索しつつ、使用していたPCや読んでいたであろう書籍、関心を持っていたことなどを洗い出す他、失踪前に関係していた人物へ失踪前の様子などを聞いてみて、まずは大まかな原因を突き止めることが最も優先して行うべきこととなります。

家出や失踪における原因は大きく分けて7つに分類されます。

失踪原因①|異性関係(駆け落ち、不倫など)による家出失踪

家出や失踪の原因として異性との問題は数多くあります。相手との交際や結婚を反対されたり、不倫によって相手との逃避をするといった行為は、思いつきの行動ではなく多少でも計画を立てての行動と思われます。

ですので、行き当たりばったりの家出や失踪ではなく、住居や就業先などを前もって決めていることが多い傾向にあります。このような場合には必ず同行者がいるので、同行者を捜している人を見つけ出し、協力すれば情報の量が多くなってきます。

また、家出・失踪先において生活する為には必ず資金が必要になります。そのため、収入を得るためにも就労する事が考えられ、その場合には同行者と同じ勤務先で働く傾向があり、また違った就職先だとしても、働く時間帯や地域は、同行者と近いものになると予想されることから、捜索する範囲を狭めて調査する事が出来ます。(因みに、どこかに雇用され雇用保険に加入した場合には、そこから判明させることが可能になります)

どちらが主導権を握っているのか?が重要

なお、2人で家出・失踪をすればどちらかの人間が主導権を持つことになります。家出人と同行者のどちらが主導権を持って行動しているかを調査の始めの段階で把握することと、両者の所持金やクレジットカード、キャッシュカードなどの利用履歴を確認すれば、より今後の調査を円滑に進める事上ではかなり重要な事であることは頭に入れておかなければなりません。

失踪原因②|会社関係(倒産、リストラ、人間関係など)による家出失踪

経営者であれば、自ら経営していた会社の倒産により夜逃げ同然で失踪することや、会社員であればリストラされたことを家族に打ち明けられずに逃避することが多くあります。その他、仕事の失敗や責任、上司との確執、不正などの犯罪行為の発覚などを原因として家出・失踪してしまうケースがあります。

こういったことが原因の場合、所持金をある程度持っていて、余裕はなくても、カプセルホテルなどの宿泊施設やウィークリーマンションなどを使って、生活拠点を転々としていることもあります。反対に社会から完全に逃亡し、ホームレスのような生活をしている場合もあるので、そういった人たちが集まるような場所でも聞き込みの必要があるでしょう。

所持金にも限りがあるので、仕事に就いている可能性もあります。その場合は特定の勤務先は持たず、安定した収入ではなく、日銭を稼ぐ為、日雇労働をしていたり、家出・失踪をする前に安定した就職先を確保していたりと、その幅があります。

計画的なのか突発的なのか?

家出・失踪が突発的な計画性のないものであったのか、複雑な原因があり、計画性をもったものであるのかによりますが、どちらにしろその家出・失踪人が持っているスキルや資格に関連したものになる可能性が高いです。

しかし、スキルや資格を全く持たない家出・失踪人であるならば、就職先としては特別な技術を必要としない単純労働や比較的採用されやすいような場所になるのでしょうか。それに加え、住み込みや寮がついていたり、家出・失踪であることを承認してたりばれないような場所であればなお選びやすくなるでしょう。

失踪原因③|家庭不和(暴力、虐待、親子関係の悪化、非行など)による家出失踪

夫婦

この世には多数に家庭がありますが、上手くいく家庭もあれば当然うまくいかない家庭もあります。その原因として、価値観が違ったり、パートナーの浮気が大半を占めていましたが、最近では配偶者からの暴力(DVドメスティックバイオレンス)や暴言・虐待、モラハラなどが増えていて、それも大きな原因となっています。

それ以外だと、教育などにより親子間でのイザコザで子供が出て行くケースや、夫婦間での浮気不倫が原因による駆け落ち同然の家出があります。

仮に家出・失踪人がこのような状態から逃避したいがために、家出・失踪したのであれば、問題をしっかりと分析し解消しておかなければ、発見するのはとても難しい調査になると考えられます。

というのも、その原因が捜している側にあることが多く、聞き込み先にもそういった原因が伝わっており、当然に家出・失踪人をかばうことになります。これだと、どこにいたとしても、ほとんど情報は入らないと予測されます。

また、全国にはこのようなことから保護をする施設が多数存在し、そのような施設では保護した人物が安全に生活を送る事が出来るように。原則的には情報を公開しません。なので、家出・失踪人を発見する事は、非常に困難になります。

一方で、親の反対を押し切り将来の目標を達成させるためなどであれば、命の危険も無く発見も簡単にできます。

失踪原因④|学校関係(いじめ、暴力、学力不足、親の期待など)による家出失踪

学校内で子供に起こっていることを親が把握することは難しいと言えます。特にイジメられていたりすることは言ういづらく、自分の中で処理しようとしてどんどん精神を蝕みます。それ以外でも、受験に失敗しショックを受けたりするような勉強が上手くいかず親の期待に添えないことに対する苦しみであったり、多感な時期にカルトな趣味嗜好にはまることなども原因と言えます。

子供の場合、まだまだ世界が狭く、自分の問題が解決するかどうかもわからず、現実的に逃避出来るだけのお金や資源がないことにより、命を絶ってしまうこともあり得るのが特徴です。

家出失踪先で多いのは寝泊まり出来そうな公園やネットカフェなどです。親からの関心の薄い友人宅に泊めてもらっていることもあります。ラインやツイッター、ニコ生などSNSから知り合った相手と意気投合して飛び出していくこともあります。

失踪原因⑤|現在の状況からの打破(都会への憧れ、一攫千金)による家出失踪

都会に出ればなにか金儲けのチャンスがあったり、芸能界への入口だと考える人も少なくありません。家出・失踪し、自立するといってもそういったチャンスはほとんどありません。その為、生活の為にはまず就職をする事になるでしょう。

芸能界に憧れたような家出・失踪となれば、芸能プロダクションからのスカウトやオーディションを受けて合格する他に道はありません。しかし、現在活躍しているような芸能人が道を歩いているとスカウトされ、それをきっかけに有名になったなどという話に夢を持ってしまうものです。

家出・失踪人に芸能界に対して知識があったり、自身を持っているとしても、実際に成功するのは一握りの才能や容姿に恵まれた、プロから見ても売れると思わせる魅力や個性が必要なのです。それに加え芸能プロダクションにはまともなところだけでありませんので、モデルと言いながらAV女優になってしまう女性も多く、用心が必要です。

最近は、インターネットカフェなど低料金で宿泊出来る施設が数多くあり、待遇にこだわらなければアルバイトもすぐに見つけられるでしょう。若い家出・失踪人であればあるほど危険が伴っているので、早い段階での発見をしなければならず。早い段階の発見こそがいい結果をもたらすことは間違いありません。

失踪原因⑥|借金による生活苦により家出失踪

リストラなどにより住宅ローンの返済が困難になって疲弊したり、消費者金融や闇金に手を出して借金の取り立てなどから生活苦に陥り、そこからの逃亡の場合、家族などの同行者がいれば情報の入手は困難なものではありません。なので発見出来る可能性が高くなってきます。しかし、単独での行動の場合、取り立てなどから逃亡している訳ですから、情報を出来るだけ隠して痕跡を残さないように注意している事が考えられ、とても難しい調査になるでしょう。

そして、こういった場合、社会との断絶を目的としてホームレスになっている可能性も少なくないので、そういった事を考えた上で、ホームレスの方が利用している施設などに協力を依頼して調査する事も早い段階で必要になってきます。

失踪原因⑦|現状からの逃避(病気、犯罪、宗教、拉致など)による家出失踪

自由

精神的な病や痴呆症など、その他抑うつ状態からの現実逃避行動としてが原因の場合には計画性もなく、行き先を確認することも難しいです。かなりの確率で職務質問などによる警察のネットワーク上で発見されますが、一方で死亡して発見されることもあります。

癌などの大きな病の告知をされ、受け止められず逃避する場合もありますが、この場合にも悲観の末自殺するということが多くあります。中には逃避を経て生きようと思われる方もいらっしゃいますが稀です。

オウム真理教の際にありましたが、カルト教団への入信により、共同生活をするため出家するなどもありますが自発的である行為であるのに対し、誘拐や拉致など他者の行為により行方がわからなくなることもあります。

不正な行為行動により、暴力団関係者や反社会的勢力からの逃亡や自ら犯した犯罪の発覚を恐れての逃亡などもありますが、この場合には警察が先に発見することが多いです。というのも普通に生活していると出現するような所にポスターや発見したら連絡するように手配し、防犯カメラなどの映像も見れる為です。

2. 家出や失踪の原因を区別して把握する

2−1.家出・失踪の目的をはっきりさせる

家出・失踪人を捜索するにあたり、その原因や目的を推測する作業はとても重要です。原因や目的がはっきりすれば行き先が絞り込めるからです。

ほとんどの家出や失踪については何らかの目的があり、その目的を果たす為に家出・失踪を決意するもので、その目的は多種多様です。ただ、本当の目的や動機は発見後の本人の口からしかでしかはっきりとはわかりません。捜している側は、あくまで推測の範囲であり、いかにそういった仮説を立てて捜索していくかがポイントなのです。

2−2.原因のない家出・失踪はない

まず、家出や失踪というのは、家を出ていくとが目的ではありません。それぞれの家出・失踪人には家に対して原因があり、家を出る事によってその原因から回避することが目的です。家出・失踪後、最初に落ち着いた点から、留まるのか、進みだすのかはそれから判断することになりますが、ここまでくれば、その次の段階に入っているでしょう。

自身の希望を実現する事になっているのかどうかに関わらず、一時的な落ち着き先からどのように動いていくかを判断する段階に入った家出・失踪は、既に目的を達成しています。1ヶ月以上も経っているのなら目的を成し遂げている状態にあるといえます。

原因のない家出・失踪というものはなく、家出・失踪には必ず原因があります。原因を区別し、把握する事が重要です。

3.年齢別で推測される家出や失踪の原因とは

実態

年齢によって、家出や失踪した後の行動に大きな変化があります。その為、家出人や失踪人の捜索においては、対象者の年齢によって捜索方法を大きく違ってきます。

例として「病気や体調の問題」という原因に対して、未成年と高齢者では緊急性や調査の仕方が全く違います。大まかではありますが、年齢ごとに「未成年」「成人」「高齢者」という3つの分類にわけて考えてみましょう。

3−1.【未成年】による家出・失踪の特徴と傾向

一般的に未成年は経験や知識が成人などに比べ浅いです。その為、一時の感情によって左右されて行動してしまうことが比較的多いため、友人や知人に聞き込みを実施する事で、そこからの情報によって比較的早い段階での発見が出来る傾向にあります。

しかし、異性の問題や不良グループとの関係、いじめ、不登校などが原因の場合、家出人の心は深く傷ついています。その為、心を閉ざし周りとのコミュニケーションを断っていることにより、周りの人間もよくわからず、情報を得られないということもあります。

また、未成年の女子による家出・失踪は、知らない男性に騙されていたり、犯罪に巻き込まれてしまうこともあり、より緊急性が高くなります。しかし、家出人との友情が壊れてしまう事を恐れたり、家出人をかばうことにより、行き先を知っている人物に取材を行ったとしても、正確な情報を伝えようとしないことが多い傾向にあります。なので、聞き出した情報をうのみにせず、よく分析し、推理する必要があります。

こういった事があると調査が難航してしまいます。どういったケースにおいても出来るだけ早い段階で発見するということが、いい結果につながるというのは言うまでもありません。そしてまた、出来るだけ早い対応が必要不可欠なのです。

参考:【探偵と警察が教える】子供が家出した時の対応方法とは!?

未成年者の捜索にはSNSのチェックが必要不可欠

なお、未成年による家出・失踪は増加している傾向にありますが、これはツイッターやライン、インスタグラムなどのSNSによる繋がりの増加により、簡単につながることが出来て行動できるようになった為だと思われます。

3−2.【成人】による家出・失踪の特徴と傾向

成人は、未成年者とは異なり、経験や知識があるので、感情の抑制ができます。その為、未成年者特有の一時的な感情などによる家出・失踪ということは少なく、冷静に何かしらの目的を持って行動している事が多いです。成人は銀行やクレジットなど、様々なサービスに何らかの登録がされていることが多いので、それらの登録内容を調査していく事が発見への近道となる事があります。

しかし、駆け落ちやリストラ、借金の取り立てからの逃亡などにより、所在を知られる事を恐れて、隠れて生活している場合、登録内容などの変更をせず、そこからの情報だけでの発見は難しくなります。そのため、調査が長期にわたる可能性も考えなければなりません。

発見する事ができ、帰宅したしても、家出・失踪原因の解消がなされていなければ、再度家出・失踪する事も考えられるので、帰宅した際は家出原因の解消が重要です。

なお、最近の社会環境によって、いきなり逃避生活を始める者もおり、場合によっては、資金が底をつき、通常の生活を送る事が出来なくなり、ホームレスになっていることを想定する事も必要になってきます。

3−3.【高齢者】の家出・失踪の特徴と傾向

高齢者に関しては行動範囲出来る範囲が狭く、考えられる立ち寄り先の情報が比較的豊富なので、家出をしたあと、通常の生活を送っていれば、早い段階での発見も期待できます。しかし、何らかのトラブルや痴呆症などの原因により、命にかかわる状況や、自力での帰宅が困難な場合があり、ホームレスになっている可能性などもあるため、危険が伴っています。

警察によって発見されることが多く、街中にある自宅からの失踪であれば発見率は高いです。

参考:探偵が教える!急増している認知症による徘徊と発見する為の捜索方法とは

4.その人が家出・失踪に至ったストーリーを考え原因を分析する

慰謝料請求額

4−1.家出・失踪当時の状況から原因や理由を考えてみる

家出・失踪人を捜索するにあたって、それぞれの家出・失踪人には一人ひとりに違った事情や考え方があります。それらを客観的に分析し、考える事が重要です。

たとえば仕事が上手くいっており、社会的な立場や収入の多い人が家出・失踪した場合は、相当な理由があると考えられます。そのような環境を捨ててまで、大した理由もなく家出・失踪するという事は考えづらいためです。

また、芸能界や都会への憧れにより家を出て、その現実の厳しさを知り、挫折することもあります。そういった時の家出・失踪人の行動などを考えて、調査をしなければなりません。家出・失踪人がなんらかの目的を持っているのなら、捜す側がその目的を達成する為に、どういった行動をするのか推理しなければなりません。

いずれにせよ、冷静になって家出人を分析し、その対策を考えて調査をする事が必要になります。

4−2.家出・失踪人の生活環境と行動範囲を予測する

家出・失踪人の捜索にあたり、まずは家出・失踪時の状況を細かく確認するところから始めます。家出の状況を確認することは、今後の調査を手際よくすすめる上で、重要な作業のひとつです。

家出・失踪当時の状況を分析することによって見つかった手掛かりを使って、家出・失踪人の現在の生活環境、行動している範囲などを予測し調査を進めると良いでしょう。

4−3.残された手掛かりがあるか?

家出・失踪の原因やその後を把握するためには、残された手掛かりを探し出し、それらを読み取ることが必要となります。家出人が残した手掛かりの中には、その原因、計画性、自殺懸念の有無など、今後の調査の方向性が隠されていることが多いものです。

たとえば残された文言に人名や地名、思い出などの過去に触れていたりすれば、その人物や地域への調査を実施する事が重要です。

また、イニシャルなどの記述は、人のイニシャルとばかりは限りません。前後の内容を推理して、何を指しているかを考えてみましょう。記号が書いてあった場合、交際や性行為などの状況を表しているものが多いです。

棚の奥に詰まっている物や底に落ちている物、本の中に挟んであった物など、家出人が処分を忘れた可能性の高い物ほど有効性があります。日記・手帳類を見るのは当然のことですが、パソコンのデータや机の引き出し・本の中に挟んであったメモ類に、家出と関係のある事柄が記されていることがあります。

4−4.家出・失踪をした時間帯による捜索先の予測

時間帯

家出・失踪をする際一般的には、強く叱られたり、喧嘩、口論や暴力行為があった時に、そのような行為から避けるため逃げ出したり、また、感情が高ぶって家を飛び出すというケースが多く見受けられます。

このような家出の場合は、咄嗟の事なので計画的ではなく、常日頃から不満が積み重なっていたとしても、準備をしていたわけではないでしょう。こうした一時の感情的な家出・失踪では、時間帯などはあまり関係なく、家出・失踪をした時間からはあまり情報を得られません。

時間的な考えが必要な家出は、だいたい家に人が居ない時間帯に家出・失踪が実行されています。家出・失踪人には様々な事情があり、決まった時間に実行されるというわけではありません。その様々な事情の為、24時間いつでも家出・失踪の可能性があります。どのような時間帯に家出・失踪したかによって、その種類別に分けられます。

早朝に家出した場合の捜索方法

一時的な感情による突発的な行動でなければ、まず初めに目指した目的地が家から遠くにある可能性があります。公共の交通手段としては電車・バスだけではなく、新幹線・飛行機などを使うこともあるでしょう。

特に異性などの同行者がいる家出の場合には、事前の連絡が最近のことではなく、家出人同士は事前に連絡を取り合い、周到な打ち合わせをして、家出・失踪をしていると判断しなければなりません。なので、交通手段や、集合場所、立ち寄り先や家出・失踪後の生活の拠点など、すでに決めた上で実行していると考えられます。

異性が存在している場合には、その関係者への聞き込みを行い、関心を示していたような場所に行く傾向にあります。

日中に家出した場合の捜索方法

日中には近隣の目などもあり、周りに知られたくないため、単なる外出のように振る舞い、出ていく場合があります。しかし、出ていくタイミングがその時間しかないといういのなら話は別になります。

子供が学校などに行っていて、家にいない間の家出・失踪ということならば、異性の存在があるということも考える必要があります。場合によっては、その同行者の都合があり、その時間帯での家出という可能性もあります。

不倫による駆け落ちの場合には昼間が多く、配偶者が仕事の際や、逆に仕事に行ったまま帰って来なくなって行方をくらまします。この場合、非常に計画的な行動の為、既に居場所は確定していますが、職場を変えていなかったりするケースが多いことから発見は意外と簡単です。

夜間に家出した場合の捜索方法

今では深夜0時を過ぎても動いている交通機関もあり、ある程度の範囲は移動できますので、一人で家出・失踪した場合において家に人が居ないのなら家出・失踪に最適な時間とも思われます。こういった場合、あまり遠くまでは行かず、親しい友人・知人の協力を得ての家出・失踪しているケースが大半です。

しかし、真夜中の場合は一時の感情による突発的な家出・失踪でなければなぜ真夜中に行動する必要があったのかを考える必要があります。この場合、家出・失踪人の心理状態や状況を推測することで、ある程度絞り込めます。計画的である場合だと、夜間バスの利用によりかなり遠方までの家出があり得るからです。

4−5.失踪時の所持金額や持参している口座残高から推測する

家出・失踪する場合にはある程度の所持金が必要です。家出・失踪時の所持金を知ることは今後の調査においてとても重要です。多額の所持金をもって家出・失踪した場合、行動範囲が広かったり、ある程度の宿泊施設を利用してる可能性がありますし、少額の場合、友人・知人・交際相手の家に宿泊していたり、新たな生活拠点にて就業している可能性があります。

所持している金額によって、家出に対する決意の程度が分かり、行動可能な範囲や宿泊可能な場所がある程度推測できますし、どこかで働く必要があるかどうかが判断出来ますので、可能な限り正確な状況を確認する必要があります。

また、現金とは別にクレジットカードやキャッシュカードなどを持っているのかも重要です。今ではクレジットカードを使う人がとても多く、最近ではキャッシュカードがあれば、コンビニエンスストアなどで深夜でも、簡単に現金の引き出しが出来るので、行動範囲や時間の予測が難しくなりました。しかし、所持金・携行品が多いか少ないかによっては、発見の手掛かりになるケースが多く見受けられます。

4−6.失踪当時の服装や荷物から推測する

家出・失踪人によっては、長い期間をかけて計画し、準備をする場合があります。長い期間を掛けて家出を計画、準備をしていた様子がある場合、その原因も積み重なっていたり、複雑なため、突発的な感情の問題とはいえず、強い決意によって家出・失踪をしたと判断出来ます。衣服や生活に必要な家具など大きなものまで搬出した場合、もちろん既に居住先を決めており、同行者が存在している可能性がとても高いです。

逆に家出・失踪を着の身着のまま行ったような、感情的な突発行動の場合においては命の危険の可能性が非常に高い為、早急な対応と早期発見が必要となってきます。

4−7.家出・失踪について同行者(協力者)が存在しているのか?

家出・失踪人には一人で行動する人もいれば、同行者(協力者)と共に行動している人もいます。同行者の有無は家出・失踪の原因の予測にも影響しますが、その後の調査にも大きく影響してきます。

同行者の存在が発覚した場合、同行者もまた、家出・失踪人である可能性があり、その場合、同行者を捜している人物が存在します。従って、お互いの捜している側が協力出来れば、より多くの情報を得られます。また、同行者がいれば、家出・失踪人だけの背景や行動範囲で判断はできません。多くの場合、家出・失踪を決めた方が、その家出・失踪中の主導権を握るでしょう。

男女での家出・失踪では、男性側が計画、行動の判断をしていて、女性の希望や知識を取り入れている事が多いです。当初の足取りを決定する上で、所持金が多い方がより強い決定権を有しているでしょう。それに続き気の強さ、土地勘の有無、就業の可能性などによって決定権が変化する事を頭に入れておきましょう。

4−8.家出・失踪時の移動の手段から推測する

駅構内

家出・失踪人は、公共の交通機関を必ず使うというわけではなく、所有している車両での移動も大いにあり得ます。家出・失踪人や同行者の自家用車を使って移動しているような場合は、その車自体が大きな手掛かりとなります。警察への特異家出人の届出がなされている場合にはNシステムによりかなりの確率で発見されます。

自家用車だけでなく、レンタカーを利用した家出・失踪と判断された場合、車を借りる時には必ず免許証を呈示する必要があり、偽名を使って車を借りるという事は、非常に難しいのでそこから有力な情報をつかむ事ができます。これについても、特異家出人の届出がなされている場合だと手がかりとなります。

レンタカーを借りるのは計画的な家出の場合もあれば、死ぬことを決意して借りていることもあります。車両を所有しておらず、死に場所を山中に選び練炭自殺などする場合に借りることがあります。

駅や空港などの公共の交通機関へ行くための足として利用することや、事前に計画をしての家出・失踪の場合、偽装利用した場合があることから、簡単にその付近が生活拠点だと断定してはいけませんが、利用した駅や空港名が判るだけでも大きな手掛かりなので、捜索のきっかけになり得るでしょう。

参考:警察OBが教える|警察が行う家出人・失踪人捜索方法について解説

まとめ

家出や失踪における原因や、それに対してどのように分析していけば良いかを出来るだけ詳細に書いてみました。家出や失踪の理由は一人一人千差万別ではありますが、原因や年齢、失踪時の様子やそれまでの生活状況によりおおまかに推測していくことは可能です。

家出失踪人の調査では、どれだけ分析して頑張ってみても、家出や失踪時の手掛かりがほとんど見つけられない場合もあります。そのような場合でも、諦めず家出・失踪後に近隣者や友人・知人などに聞き込み調査を続ければ、目撃情報などの新たな情報や、捜している側がもっていない情報が入ってくることも出てきます。

原因を把握して、分析し、仮説をたてて諦めず実行していくことで発見につながるのです。

参考:警察が教える!家出人の捜索依頼をする場合に最初にすべきこと

参考:家出人・失踪人捜索を探偵に依頼する?!料金はいくら?捜索方法は?