家出人のほどんどは、それまで居住していた生活空間に家出の原因や理由、もしくは行き先を示すメッセージを残しています。これらのメッセージは家族や親族などに宛てた置手紙とは別のものをいいます。ここでいうメッセージは家出人が意図せず無意識のうちに残してしまったものを指します。このメッセージは、家出人調査の重要な手掛かりが隠されている場合が多々あります。

もし現在、自分の身内が家出や失踪をしてしまい行方が分からなければ、どうすれば見つかる可能性が生まれるでしょうか?警察や探偵に依頼する必要もありますが、その前に自分でやれることがあります。そこで今回は、個人で出来る家出人の手掛かりを見つ出す方法を紹介します。

家出人の部屋を調べて手掛かりを見つける

家出人が家出する前に長く生活していた所だと、家出の原因やカギとなる証拠を隠したり捨てたりしても何かしらの手掛かりが必ずあります。それは目に見えるものだけではありません。以前あったはずの物が部屋からなくなったりしていることも手掛かりとなります。

部屋全体を見渡して、普段と比べて部屋が整理されているような場合だと、家出後の生活に必要なものを偏りなく持ち出していることが考えられます。また、それとは反対にほかの場所に比べて一部分だけが整理されているような場合は、整理されている周辺にあったものは家出後の生活に必要なものと考えられることから、計画的な家出だと考えられます。

このようなケースは、突発的もしくは衝動的に家出をしたということは考えにくく命の危険性もあまり考えられないでしょう。多くの物が持ち出されていたり、ベッドやタンスなどの大型家具類までも持ち出されている場合などは、家出当日に引越業者を利用したり友人や知人に車を出してもらったり、レンタカーを手配したなどが考えられ、家出人の行き先が決まっていると推測されます。

しかし、いつもと変わらない部屋の状態で通常は持ち歩く財布や携帯電話が置かれたままであったり、炊飯器が保温の状態のままだったり、洗濯機の中は洗濯物が沢山あり選択の途中だったりするなど、家電製品が使用状態のまま行方不明になった場合は、突発性で計画性が無く、状況によっては事件の可能性や命の危険性を疑う必要が出てきます。

家出人が着用していた衣類を調べて手掛かりを見つける

衣類のポケットに重要な手掛かりが残されている場合があります。家出人発見に至った証拠の中には、電話番号が記されたメモの切れ端や、スナックなどの飲み屋や、レストラン・バーなどの飲食店の店名と電話番号が記された使い捨てライターやマッチなどが出てきたりします。

衣類のポケットから出てきたライターから行きつけの飲食店が判り、そこの従業員と同居していたことが判明したことなどがあります。

家出人が書いていた日記やブログを見て手掛かりを見つける

日記には人によって色々な種類があると思います。普通に日記帳に日記を書く人もいれば、手帳に書く人もいます。またブログやSNSをしている場合、ブログに投稿しているケースもあります。

家出や失踪を計画的に実施している場合、計画を実行に移したことで気分が高揚し、ラインのタイムラインやツイッターのタイムラインに書き込みをする傾向にありますので、アカウントがわかるかどうかが鍵になります。

ブログの場合、普段の生活の考えていることや悩んでいることなど、家出をする原因や行き先を示す記載があるかもしれませんので、もし日記を発見した場合は過去からさかのぼり丁寧に目を通すことが必要です。

家出人の部屋にあるカレンダーやスケジュール帳から手掛かりを見つける

上記で述べましたように、計画的な家出だと長期にわたって家出を計画していた可能性があります。半年や一年前から家出を計画していたような場合、スケジュール帳などに計画や電話番号などが記入している場合がありますので、ヒントとなる記載がないか確認しておきます。

使用していたパソコンがある場合には、オンライン上のスケジュール帳などもチェックします。グーグルアカウントが分かればそこにログインして確認します。

家出人の部屋にある雑誌・フリーペーパーから手掛かりを見つける

残された雑誌や書籍、週刊誌などを調べることで今まで表に出なかったような家出人の趣味や趣向、性癖などが判明することもあります。さらには直接的な家出の原因が分かったり、足取りを掴めることさえあります。

また、求人誌が残っているような場合は必ず確認してください。丸印などのチェックがつけられていたり、求人誌の1ページが切り取られていたら、掲載されている求人先に就職している可能性があります。雑誌などの書籍類やフリーペーパーの確認作業は丹念に行って下さい。

家出人が利用していたパソコンから手掛かりを見つける

近年だとかなり普及してきているパソコンが家出調査のカギとなるケースは珍しくありません。内閣府発表の消費動向調査によると平成10年3月時の日本国内におけるパソコン普及率が25.2%だったのに対し、平成14年3月時の普及率は78.6%となっております。

一家に一台ではなく、一人に一台という家庭も目立ってきました。家出人もパソコンや携帯電話を生活の中に取り入れている人が多いため、パソコンや携帯電話が家出調査のポイントとなるのです。近年家出をする人が増えてきている背景の一つに、出会い系サイトというのがあります。パソコンを利用しない人でも「出会い系サイト」という言葉や文字は耳にしたり目にしたりしたことがあると思います。

出会い系サイトはその名のとおりインターネット上で男女が出会うのを目的にしているサイトの事を指します。この出会い系サイトはパソコンだけではなく、携帯電話からも利用することができます。このようなサイトで知り合った男女が監禁や暴力、最悪の場合は殺害されるといった事件に巻き込まれたり、援助交際といった売春行為の巣になっていることがあり、社会問題の一つとなっています。最近の家出人は出会い系サイトが原因で家出をする人が目立ってきました。サイト上で知り合った異性と交際もしくは不倫し、駆け落ち状態で家出をするのです。

パソコンや携帯電話が発達する前は、限られた生活圏内でしか人と知り合う機会がなかったのに対し、インターネットの発展の共に人の繋がりや、見知らぬ異性と知り合う可能性や機械が一気に広まりました。こうしたことから、出会い系サイトで知り合った異性が家出をする原因となることがあります。又、出会い系サイト以外でもオンラインゲームなどの共通の趣味によるオフ会などで知り合うケースもあります。

パソコンを調べる場合、メールのやり取りの記録を探ることで相手の素性が分かる事があります。また、パソコンには履歴機能というものがあり、アクセスしていたサイトがみれる場合があります。この場合もどのサイトにアクセスしていたのか確認しておきましょう。ブラウザ(インターネットエクスプローラーやグーグルクローム、FireFoxなど)に残っている可能性の方が高いので、その点もしっかりチェックします。

その中には、家出後に立ち寄ろうとしていた地域の情報や、引っ越し予定地の不動産情報などのサイトにアクセスしていれば、有力な情報となります。また、家出人が家出をする前にパソコンから手掛かりを入手されることを嫌がり、通信記録を消去したり、パスワードを設定していたり、さらには壊す場合もありますが、消去したデータの復元やパスワード解明、またパソコン本体のHDからのデータ取り出しなどができることがありますので、専門家に相談するとよいでしょう。

家出人の携帯電話や一般加入電話から手掛かりを見つける

一般的な通信手段としては電話が挙げられます。ですので、電話に家出人が手掛かりを残していることが多いため、しっかり調べることが必要です。家出人が家出直前に一般加入電話を使用して誰かと通話をした場合、家出人が自らかけたものと相手側からかかってきたものの二つに分けることができます。その発信先や電話をかけてきた相手が家出人と行き先や目的などに大きくかかわっている可能性が考えられます。

まず発信先を判明させるために、リダイヤルボタンを押し、通話先を判明させます。しかし、相手が名乗らなかったり留守番電話の場合などは別の手段で通話先を判明させます。電話機がリダイヤルした際に発信するプッシュ音を高音質で録音できる機材を使用して録音することで、プッシュ音を解読することができ、電話番号が判明することができます。プッシュ音の解読はインターネット上で解読ソフトが出回っておりますので、ダウンロードすることで利用できます。

次に着信した相手先の電話番号の判明させます。NTTのナンバーディスプレイというサービスに申し込んでいる場合は、話は早いです。ナンバーディスプレイ機能付きの電話機を使用することにより、過去10件以上の履歴が残っていますので、電話番号をかくにんします。しかし、このサービスを申込んでいない場合は、ナンバーアナウンスというサービスを利用することで対応できます。このサービスは受話器を上げて数字の1・3・6を発進する事により、最後に着信した電話番号が何番なのかを自動音声で知らせてくれるものです。これも事前に申し込んでいると5件まで案内が可能となっています。ただし注意点があり、相手方が非通知設定にしていると電話番号は分かりません。

また、留守番電話に録音されているメッセージはすべて確認しておきましょう。家出前後のメッセージから手掛かりを掴める情報が入っているかもしれません。その他、電話会社に料金明細内訳を請求することで、発進された下4桁を除く電話番号と通話した日時や時間などの記録が分かり、調査の有力な情報となります。

スマホの発展によりパソコンに痕跡が残らなくなってきている

これまでの捜索方法では、家出人が使用していたパソコンを解析することで発見することがほとんどでしたが、近年ほとんどがスマートフォンを使用し、パソコンを使用している人はとても少なくなりました。その為、家出人の痕跡が残らないことが多くなり、捜索が難しくなってきている、というのが現状です。

 最も発見する可能性の高い方法は携帯の電波とATM使用履歴

親族や身内であれば、警察に捜索願を受理してもらっているのであれば、携帯電話会社に連絡し、電波が入っているのであればどの辺に入っているのかを聞きましょう。身内や親族からであればほとんどが教えてくれます。又、子供が出ていった場合においては携帯の契約者は親になっていることがほとんどだと思いますので、契約者としてお願い出来るでしょう。

キャッシュカードを持って出て行っている場合には、必ずお金が必要になりATMにて引き出すことになります。キャッシュカードを持っている銀行にお願いし、捜索しているという理由でATMの操作があった時点で連絡をもらえるように手配しておきましょう。利用しているATMが分かれば、その付近の簡易宿泊所や漫画喫茶などを探査しつつ、知人や友人が近隣にいないかどうかを特定していきます。

まとめ

家出をした家出人の部屋は散らかっていたりすると整理する依頼者もいますが、探偵社に依頼する場合、出来るだけ動かさないようにしてください。物の置き方にもヒントが隠されている場合もあるためだからです。またプロの探偵はそのヒントも読み解くことができます。
あなたの大切な方がある日突然家出をしてしまったら、きっと動揺することだと思います。また自分一人や家族だけで家出人を捜そうにも時間的や労力的にも限界があると思います。

調査を開始する時間は遅ければ遅いほど家出人を発見できる可能性は低くなっていきます。ですので、あなたにとって大切な方であるならば、私達探偵社に依頼してください。必ず見つけ出します。