家出や失踪をする原因は全員違います。性別や職業など、置かれた立場により様々な原因が存在していますが、年齢ごとにも大きな違いがあります。
但し、同じ年齢層の家出失踪原因には共通している点もあり、そういった点を事前に把握していることで調査方法が変わり、発見率に大きな違いがうまれます。これまで発見した事例を元に、年齢ごとの失踪原因や調査方法、そして発見事例をまとめてみました。
1.年齢ごとの家出失踪原因と調査方法
(1)高校生以下の家出失踪原因と調査方法
原因は単純で身近な所にあるケースが多いです。親の期待に応えられない、交友関係、SNSで知り合った、などです。
インターネットカフェ、ゲームセンターなど施設によっては年齢によって利用出来る時間帯が決まっていたり、24時間営業のファミレス、ファーストフード店であっても人目があるので居にくい環境です。ただし、16歳の女子高校生が深夜のマクドナルドで時間を潰していたケースもあり違和感がないエリアにおいては注意が必要です。
基本的には深夜徘徊が出来ない為、交友関係や家出の協力者と行動を共にしている可能性が非常に高いです。
所持金にもよりますが、行動範囲は非常に狭く、土地勘のある場所(学校周辺、学校の最寄り駅、沿線など)に身を置くケースが多いです。部屋に何かしらヒントを残している可能性が高く、交通機関を調ベ、上から黒くマジックで塗り潰していた15歳の女子高校生の事例もありました。
計画的な家出が考えられる為、直前の行動や購入したレシートなどからヒントを探れる事もあります。友人ヘの取材の場合、相手の親の許可を必ず得てから取材を行い、親の許可が得れるまでは直接のやり取りは行わない。
身近な友人ヘ秘密にしているケースもあり第三者の存在が特定しにくい場合もある。
事例1
16歳の有名進学校に通う女子高校生が試験先日に家出。日中はインターネットカフェで、夜はマクドナルドなどで時間を潰していた。
あらかじめ短期間の期限を決めていた完全計画的な家出であった。食資は1日500円までとまで決めていた。
事例2
15歳の女子高校生が夏休みに家出。自宅は都内だが広島県の全寮生の高校に通う。以前にインターネットカフェで知り合った18歳の女性を頼って長野県まで80万円ほどの現金を所持しての家出。何故か18歳の女性宅近くの全く見ず知らずの老夫婦の所に滞在していた。結局、信用していた18歳の女性に金銭を奪い取れる形で警察を絡めた事件ヘ発展してしまった。
高校生以下に対する効果的な調査方法
- 友人ヘの取材
- 親、兄弟ヘの取材
- アルバイト先ヘの取材
- SNSからの洗い出し
- 携帯電話の通話記録(大半が親の名義の為可能)
- GPS付き携帯電話の利用(契約者のみ)
- 友人からの誘い出し
- 交友関係の洗い出しインターネットカフェへの聞き込み
- 深夜のファミレス、ファストフード店の探査
- 交際相手を特定する事によっての居住先割り
(2)大学生・18~24歳の家出失踪原因と調査方法
学生ローンなどの金銭的な絡みによる失踪が多いです。
アルバイト、コンパ、サークル、などで不特定多数の交友関係が増える為、特定しやすい半面、近しい友人であっても第三者の存在を知らないケースが増えます。
独り暮らしの友人がー気に増える為、居住先として考えられる場所が増えます。
異性がらみの家出が考えられるため、携帯電話、PCなど解析から特定出来る可能性が高まります。SNSのコミュニケーションツールで知り合った第三者と一緒に居るケースもあります。
自動車運転免許を取得している場合、自宅の車輛で家出をするケースもあります。大半が親の車である為に機材を装着する事が出来ます。
事例1
20歳の男性が母親名義の車で家出。ラインで知り合った18歳の女性と一緒に女性の実家近くに女性の仲間と居た。
事例2
22歳の男子大学生が親名義の車輛で家出。ニコ生動画で知り合った26歳のバチンコ店従業員の女性と真夏の14日間、クーラーの効かない軽自動車中に一緒に居た。
事例3
23歳の男子大学生が、所属サークルからの借金を返せずに家出。親には市内の友人宅にいると連絡があったが結局は低価格インターネットカフェを転々としていた。
事例4
20歳の女子大学生が突然の家出。風俗店などでのアルバイトやモデル事務所ヘの在籍事実があった。デリバリーヘルスに所属している可能性が判明し、AVスカウトヘの興味を示すなど、結局は整形に絡んだ金銭的な家出であった。
事例5
18歳の女子アルバイト店員が親に交際を反対されて家出。交際相手と利用していたスーパーマーケットのレシートが見つかり、そのスーパーマーケットの敷地内のベンチで交際相手とー緒に届る所を発見。
事例6
20歳の女子浪人生の家出。過去に3回ほど家出をしていたが、3回目の家出に絡んでいた男性と一緒にいるとの推測。男性とはスマホゲームを通じて知り合った。3回目の家出のとき警察によって保護されている。男性の携帯電話番号より居住先を特定し存在を確認して別宅の割り出しに成功。不特定多数の男女が共同で生活をしている様でありやや宗教的な様相を感じた。おそらく本人の意思で行ったと思われる。
大学生に対する効果的な調査方法
- 友人聞き込み
- 友人により誘い出し
- アルバイト先取材
- 交友関係洗い出し
- 異性関係の洗い出し
- PC解析
- インターネットカフェ取材
- 過去のレシートなどからの行動範囲の選定
- 第三者の特定と居住先の割り出し・メールでのやりとり
- 携帯電話の通話記録(親の名義になっている場合)
(3)成人者の家出失踪原因と調査方法
ある程度社会的知識がある為、密かに家出の準備を整えてから決行する場合がほとんどであり行動範囲も広いのが特徴です。
交友関係は乏しく情報収集が難しいケースが多いです。
それまでの経験やキャリアから身についた金銭感覚や行動範囲がある為、日本全国が調査対象になる可能性があります。
海外生活が長い場合では、海外に出ている可能性もあります。
事例1
大学卒業後、日本企業の中国現地法人に長年勤めた40歳男性の家出。家業を継ぐために日本に帰国した。奥様は中国人。家出をして数日後に旅行保険の書類が届いた事によって海外に出ている事が判明。
事例2
35歳の契約社員の男性が350万円ほどを持って失踪。両親の努力で銀行からはATM利用履歴が常に入るようになっていた。旅行好きという事もあって日本全国を転々としていた。8~12万円を下ろしてはまた数日後には下ろしての繰り返し。利用ATM近辺を丁寧に取材聞き込みし必死の捜索の甲斐がありユースホステルで発見した。
(4)中高年者の家出失踪原因と調査方法
離婚、金銭トラブル、リストラなどの原因が考えられます。突然失踪するケースがあり長期化する傾向が多いです。
完全に失踪する準備をするためにある程度金銭を持っているケースが多く、日本全国を転々としている事も考えられます。
事例1
55歳の男性の家出調査。塾の講師として長年勤めたが経営不振に陥り早期退職。独身であり依頼者である母の世話を妹に任せて失踪。失踪して6年間連絡はない。貯金の利子のみで遠く離れた新潟県の家賃1万円程のアパートにて節約生活をしていたのを発見。
同アパートの大家に取材を行った所、本人の居住を確認した。
事例2
50歳の男性の家出調査。依頼者は奥様。急に出社しなくなり愛人と共に失踪した可能性が高かった。調査依頼の時には、勤務先の上司がすでにあらゆる手を尽くしており、愛人宅が判明した所で一緒にいることが分かった。
事例3
45歳の女性の3回目の家出。2回目の家出時にも捜索し発見されていた。銀行の引き出し記録があり旅行が好きな対象者であったため四国全城を調査対象とするも、結局、自殺の名所の岬で海に飛び入ろうとしていた所を地元の人間によって保護され、警察より連絡があった。カウンセリングを継続し再発防止につとめている。
(5)老人の家出失踪原因と調査方法
痴呆症による家出の場合は、行動が全く予測できず難航するケースがある。保護されて発見される可能性が高いが、その反面死亡して発見されるケースや結局見つからないまま調査が狩猟するケースもある。
事例
79歳の軽い痴呆症を患っている男性の失踪。観光で名古屋に来ていて、美術館で目を離してから戻って来なかった。
雨が降るとても寒い夜だったがホテルにも帰って来ず、翌日に伊勢神宮付近で保護された。
参考:探偵が教える!急増している認知症による徘徊と発見する為の捜索方法とは
まとめ
年齢ごとに家出や失踪の特徴があり、行動範囲や予想される居場所などが異なってきます。
又、それに対する調査方法も変化することから、こういった事案を数多く解決してきた経験豊富な探偵社や興信所に対して依頼すべきであると言えます。
特に命の危険性があったり事件性があるような場合には、早期の発見が必要になってきますので、捜索能力の高い探偵に相談することが最短での発見に繋がることになります。