人探しや所在調査などの人を探す調査は、探偵社や興信所の調査項目の一つとなります。依頼した場合の大体の相場として、緊急性があり命の危険があるような難易度が高いケースだと100万円を超える金額になりますし、そうでは無いような難易度の低いケース(同級生を探すなど)であれば50万程度となります。

もし自分の身内が失踪してしまい、命の危険があるかもしれない為にすぐプロに捜索してほしいと思ったとしても、100万円を超える料金をいきなり用意出来ないこともあるのではないでしょうか?

命の危険や事件性があった場合には警察による捜査も期待したいところではありますが、余程の確証が無い限り大掛かりな捜索をしてくれるわけではなく発見は難しいというのが現実になります。

そんな時に最後に残された手段は、自分で捜索するという選択です。どうしてもすぐに探し出したいがお金が無いという方の為に、自分で出来る人探し方法をご紹介していきたいと思います。

1.自分で出来る9つの人探し・所在調査方法とは?

自分の大切な身内が失踪し、命の危険や犯罪に巻き込まれているかもしれない、と思うといてもたってもいられないでしょう。冷静さを保つことが出来ずやみくもに動いてしまいがちになりますが、捜索には順番があり、早急に発見するためには優先順位を理解しておくことが大切です。

優先して行うべき順番に紹介していきます。

1-1.失踪者の持ち物を確認する

失踪者の持ち物は何かを把握することをまず第一優先しましょう。

特に重要なポイントは、所持金の有無になります。所持金があるようであればひとまず安心ですが、所持金やカード類を持たずに失踪している場合には、自殺の可能性や事件に巻き込まれている可能性があります。その他、常時服用が必要な常備薬を所持しているかどうかもチェックしましょう。

その他、携帯を所持しているか?電源は入っているのか?失踪時の服装やバッグなどの所持品が何かわかっていると、警察への届け出の際や自分で捜索する際に大きなヒントとなります。

1-2.警察への捜索願いの届け出

まず最も優先して実施する作業になります。最寄りの警察署へ出向き、捜索してほしい旨を伝えます。その際に重要なこととしては、捜索願いには2種類あり「特異家出人」と「一般家出人」に分かれます。

特異家出人とは命の危険や事件性のある場合に受け付けられる捜索願いの種類であり、警察によって積極的に捜索してくれることになります。その為、少々大袈裟であったとしても警察には命の危険や事件性があると伝え、出来る限り特異家出人での届け出を行うようにしましょう。(但し成人している場合には難しいです。)

反対に一般家出人は積極的には捜索してはもらえません。但し警察のデータベースには登録されることになりますので、職務質問などで該当した場合には帰宅を促してくれます。

届け出する方法を警察が詳しく解説した記事を参考にしてみてください。

参考:警察が教える!家出人の捜索依頼をする場合に最初にすべきこと

1-3.住んでいた部屋の捜索(家宅捜索)

いなくなった人物が主に住んでいた場所を捜索し、行方の手がかりになるようなものが無いか調べます。部屋にある本棚や引き出し、パソコンが残っているのであれば中身の検索履歴などを捜索します。どんな些細なものであったとしても、失踪前の痕跡を探し出します。

特にメモなどの遺留物に重要なヒントが残っている場合があります。時には遺書が見つかることもありますが、その場合には48時間以内に発見しないと生存確率が一気に減少しますので、すぐに警察と共に探偵社へも依頼して捜索範囲広げ、捜索のスピードを上げるようにしてください。

1-4.携帯電話会社への連絡

未成年の自分の子供を捜索する場合において、大抵は親が携帯電話の契約者になっている筈だと思いますので、携帯電話会社へ連絡しいなくなった旨や捜索願いが受理されていることを伝えた上で通話記録を発行してもらいます。通信記録を見て失踪後に通話している相手がいるようであれば協力者の可能性もあります。

但し、通話記録だけでは現在地の特定までに繋がら無いので、一番教えてほしいのが電波の発信位置になります。通信会社ではある程度の位置までは電波によって特定可能になっています。

警察への捜索願いが一般家出人扱いであれば開示してもらえないかもしれませんが、特異家出人であった場合には協力してくれる可能性は高く、この情報があるか無いかで発見に至る確率は大きく変動します。

1-5.銀行への連絡

失踪者が所持している口座の銀行へ連絡し、ATMの利用履歴の開示を求めます。特異家出人の受理がされていて親族からの連絡であれば教えてくれる銀行はあります。特にATMの利用は瞬時に分かるため、利用後すぐに連絡してもらえることで失踪者の居場所の大きなヒントに繋がるため、発見出来る可能性が高くなります。

但し、ネットバンクや外資系の銀行の場合には協力してもらえないことが多いです。

1-6.クレジットカード・ETCや交通系ICカードの利用明細の確認

失踪者がクレジットカードを所有している場合、使用した際には履歴が瞬時に残ることになります。その利用履歴をオンライン上で確認出来ないか確認してみます。IDやパスワードが必要になってきますので、不明な場合には捜索願いが届け出されていることを理由に直接問い合わせしてみましょう。

ETCや交通系ICは行方が分かる大きな手がかりになります。

特異家出人扱いの場合には、警察はNシステムというナンバー読み取り機械で居所を特定してくれます。

1-7.友人・知人への聞き込み

失踪前には、繋がりのある人物にある程度の話をしているものですので、現在の居場所に繋がる情報が得られるかもしれません。もしくは、友人や知人が協力者となっていることもあります。

成人や社会人の場合には、学生時代や地元の友人知人などを頼ってしばらくかくまってもらうこともあります。失踪者が生まれ育った地域にも捜索範囲を広げてみます。

1-8.ビラを配布して自力で情報を集める

失踪者に関する情報を記載した捜索ビラを作成します。むやみやたらに配布するのでは無く、可能性の高い場所を回って置いてもらうようにします。

◉捜索用のビラ必ず記載するべき内容

  • 氏名
  • 年齢
  • 身長や体重
  • 失踪日時
  • 失踪場所
  • 失踪時の服装、持ち物
  • 連絡先
  • 謝礼の有無など

◉捜索用のビラを配布する主な場所

配布場所①:インターネットカフェ・漫画喫茶

最も多いのが通称「ネットカフェ」です。失踪者が発見される場所としてダントツに多いのがこのネットカフェです。宿泊の為に数日間も利用していることが多いので、主な配布先となります。ただ単にビラを配っても積極的には確認してもらえない為、発見に繋がる連絡には必ず謝礼を支払うことを約束して協力を仰ぎます。

探偵社が支払っている謝礼の金額は、大体10万円前後です。

配布場所②:サウナ・健康ランド

行く当ても無く失踪している場合には、住む場所も無くフラフラとさまよっていますので、当然お風呂に入る場所に行く必要もあります。サウナや健康ランドは長時間滞在可能な場所が多い為、ずっと滞在している失踪者は多くいます。

配布場所③:自殺の名所・樹海の管理施設

自殺の名所と言われるような観光地や樹海などには、管理している方が近くにいらっしゃいます。それこそ自殺願望のある人物を発見して止める活動をされている方もいらっしゃいます。自殺願望を持って失踪している場合には、まず最初にこういった関係者へ失踪者に関する情報を連絡しておき命の危険を減らせるようにします。

1-9.インターネットで情報収集する

失踪人のツイッターやインスタグラムのアカウントが無いか確認します。投稿の有無を確認し、その内容から推測して捜索します。

もしくは失踪人にまつわる情報が無いか検索してみます。失踪者の名前やあだ名、アカウント名など思いつくものはとにかく検索してみます。

参考:自分で人探しする為に使える10のアプリと注意点とは

2.自分で人探し・所在調査するメリット・デメリット

メリット

お金がかからない

当然ですが、探偵社や興信所に支払う捜索費用がかかりません。

関係者や会社・店舗の協力が得やすい

親族が直接、失踪者の知人や友人、その他携帯会社や店舗などへの聞き込みを行うことで、協力的な対応をしてもらえることになります。

探偵が依頼を受けて捜索活動をする際、正式に依頼を受けて捜索していたとしても本当のことを言ってくれなかったり、関わり合いになりたくないと思って協力してくれないことがあります。特にネットカフェはその傾向が顕著であり、全国チェーンの店などは全店で協力を拒否されることもあります。

しかし親族が情に訴えて話をすることで、協力的に情報提供してくれる可能性は高くなります。

デメリット

発見が遅れ失踪者が自殺してしまう

やはり素人が捜索することになりますので、経験豊富なプロに比べると発見に至るまでの時間がとても多くかかってしまうことになります。

統計では、失踪してから48時間以上経過した時点から命の危険が発生することになります。プロは数多くの捜索をしてきた経験から、直感的に失踪人の行方を特定することが可能です。失踪人の命の危険があるかもしれないと思った段階で、すぐに探偵社に依頼した方が良いでしょう。

捜索人数が少ないために発見が遅れる

探偵社が捜索活動する場合、だいたい5、6人でチームを組織して可能性のあるエリアを24時間体制で捜索していきます。

どうしても自分で捜索活動する場合には、身内にも協力してもらったとしても少ない人数にはなってしまいます。

想像以上にハードな作業の為、心身ともに疲弊してしまう

捜索活動は思っている以上にハードな作業の連続です。協力的な人もいますが、その反面関わり合いになりたくないと思い冷たい対応をとられることもあります。また、失踪者を心配する気持ちを持ちながら捜索することで精神的にも大きなダメージを持ちながら捜索しなければなりません。そこに加えてなかなか見つからないと、どんどん追い詰められるような気持ちになってしまい、結局捜索にも身が入らず頭も働かないという状態になります。

特殊ルートによる情報が得られない

探偵社や興信所は独自の情報ルートがあります。また、情報屋からの特殊情報を得られることで発見に繋がることもあります。

一例をあげると、ホームレスのトップや裏社会の住人と繋がっており、そのようなフィルターにひっかかった時点で瞬時に情報を得ることもできます。これについては、一般の方がどれだけ頑張って捜索しても見つからないエリアの捜索になります。

発見出来た場合に逃亡されたり再発してしまう

失踪者を発見出来ればひとまず安心です。しかし失踪者は問題があって失踪している為、発見されたとしても嬉しい訳では無いことがほとんどです。だからこそ、発見された時点でその場から逃亡してしまうことがあります。探偵社が失踪者を発見した場合には、そこからしばらく尾行や張り込みをして現状の把握をしてから確保する為、逃亡する危険がありません。

また、専門のカウンセラーが失踪者としっかり話合い、失踪に至った問題を解決した上で、再発しないようにカウンセリングします。

参考:【再発防止】家出人・失踪人を発見したあと大切なアフターフォローとは?

まとめ

自分で人探しや所在調査をすることは不可能ではありません。今回紹介した調査方法はプロも実施している方法ですので、是非参考にして実践してみてください。可能であれば自分だけでは無く、一緒に捜索に協力してくれる人が増えるだけでも発見までの確率は高くなります。

但し、今回紹介したように自分で実施するにはメリットの反面、多くのデメリットも存在しています。まずはデメリットを把握した上で、それでも自分で実施したという方が実践されることをお勧めいたします。

人探しや所在調査は、命に関わってくる作業になりますので、可能な限りプロの探偵社にまずは相談してみてください。